10月 3

日本人がよく間違える「お疲れ様です」の英語の言い方。正解をご存知ですか?

やっと終わった!

立ち上がって、カバンを手に持ち、「お疲れ様でした!」と言って同僚たちと一緒に職場を出ます。

駅までの道を人混みを縫って歩き、最近めっきり肌寒くなったから、夏ももう終わりかな、と思っている間に駅に到着。

カードをタッチして改札を抜けたところで、同僚2人が「お疲れ様!」と言って別れを告げ、残った同僚と3人でホームに向かい、列に並んで電車を待ちます。帰宅ラッシュでホームは混み合い、どの人も疲れているように見えます。電車が到着してドアが開き、ぎゅうぎゅう詰めの電車に乗ります。

1駅、2駅、3駅が過ぎ、次はあなたの降りる駅です。ドアが開き、あなたは同僚に「お疲れ様!」と軽く会釈して電車を降ります。

「お疲れ様です!」って、とても便利なフレーズですよね。

同僚への気遣いと同じように、外国人にも「お疲れ様です!」と声をかけたい。でも、「お疲れ様です」と同じニュアンスを持つ英語のフレーズってあるのでしょうか?あなたはご存知ですか?

和英辞書で「お疲れ様」を調べれば、何かしら関連した意味が載っているかもしれません。でも、あなたが探している本当の答えは、実はそんなに簡単には見つかりません。

実は、この言葉には問題があるのです・・・

「お疲れ様です」という英語のフレーズは存在しない!

その通りです。日本語の「お疲れ様です」と100%同じ使い方ができる便利なフレーズは、英語にはありません。辞書で調べると、同じような意味で使える様々な英語のフレーズが書いてあるのですが、一体どれを使えばいいのでしょうか?そして、そもそもなぜ日本語の「お疲れ様です」と全く同じ英語のフレーズが存在しないのでしょうか?

言葉やフレーズは、連想する「イメージ」と「感覚」が凝縮されてできた言語です。

僕は、この言語の基になっているイメージや感覚を「コトバの本質」と呼びます。

しかし、人間が連想し得るイメージや感覚があるからといって、必ずしもそれが言葉やフレーズになるわけではありません。日本語にはなく、英語にのみ存在するイメージや感覚も、実はたくさんあります。例えば:

この言葉を多くの日本人が「かっこいい」と訳します。でも実は「かっこいい」と「cool」の意味はかなり違います。日本語の「かっこいい」は主に見た目を指しますが、英語の「cool」は自分がどう感じるか気持ちを指します。興味深かったり、敬意を払うような何かを感じた時に「cool」を使うのです。

ですから「You’re a cool guy.」という時は、「イケメンだね」というような見た感じの印象を意味するのではなく、「あなたって魅力的で尊敬する」というような相手の性格・個性に対する印象を意味します。

英語で「お疲れ様です」という場合も、日本語とは違い、様々なイメージと感覚に基づいて使われています。そのため、「場面」によって様々な言い方があるのです。

これが原因で、僕は日本人に「お疲れ様ですって英語で何て言うの?」と聞かれると、いつも混乱してしまいます。こういう時は「特定な場面」に限定して、「仕事が終わって別れる時、英語で何て言うの?」と聞いてもらえると、とても答えやすいです。

ではここで、いろいろな意味を持つ「英語のお疲れ様です」の使い方を、場合ごとに見てみましょう。

労いの言葉をかける時

相手の仕事や努力に感謝したり、いたわる時に、「お疲れ様です」と言います。

英語だと、こう言います。

Good job today.

Nice work today.

でも注意して頂きたいのが、アメリカ人はこの英語のフレーズを、日本語の「お疲れ様です」と同じように誰にでも軽く使ったりはしません。相手が本当に良い仕事をした時に「褒める」意味でのみ使います。ですから、このフレーズを使うと、相手はとても喜んでくれます。この場面での「お疲れ様です」は、仕事を協力してくれた人との1対1の場面で使うことがほとんどです。もし相手が協力してくれなかったら、使いません。仕事を協力してくれた人にだけ、「good job」や「nice work」と言います。

仕事が終わって別れる時

アメリカ人が、仕事が終わって同僚と別れる時に使うような、決まったフレーズはありません。

普段、仕事が終わって帰る時にはこう言います。

See you later!

See you tomorrow!

Have a good night!

この言い方は、以前ご紹介した一般的な別れる時の挨拶と全く同じです。オフィスを出る時や、電車を降りる時の別れのフレーズとして使えます。

仕事の帰り道で会った知り合いに挨拶する時

仕事の帰り道、日本人は知り合いに会うとよく「お疲れ様です」と言います。

でも、英語だと何というのでしょうか?アメリカ人は、「仕事の後なのだから相手は疲れていて当然」と考えるので、特に何も言いません。ですから仕事帰りに知り合いに会った時には、こう言います。

Hey, how are you?

Hey, how are you doing?

Hey, how’s it going?

このフレーズも、以前ご紹介したアメリカ人が毎日使う自然な挨拶と何ら変わりありません。注意頂きたいのは、この場面で「good job」や「nice work」のようなフレーズを使うと、相手はとても変に感じます。なぜなら、相手はあなたの仕事に協力していないからです。

あなたが気になる「日本語のフレーズ」

今回は以上です!

日本語では普段何も深く考えずに使っている1つのフレーズでも、英語だとこんなにたくさんの意味や表現があるなんて面白いですよね!

他にも、あなたが「これ英語だと何ていうんだろう?」と気になっている、日本語のフレーズはありませんか?

以下のコメント欄でシェアしてください!

もしかすると、あなたのコメントが僕のコラムのトピックスになるかもしれません。

では、また今度!

アーサーより


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よく間違える


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  1. 素晴らしいコラムありがとうございます!
    言語によって言葉の守備範囲が違うのはとても面白いですよね!
    それに状況によって違う角度から違った表現をするのもとても面白いと思います!
    気になるフレーズは、日本では友達を驚かせたときに大抵は相手に「びっくりした?」って言いますが英語ではどう言うのか気になります!

  2. I like the blogs’ comments to refer to greet with visitors.
    One of sample exp. of it is-like that;

    ” Thank you for your guys sharing with this idea!”
    yeah , a little pop styled i feel it to but, its positive and makes us cheerful, isn’t it?

    i think, making blog sentences to positive in writings is great point to creat them-

    for my experience ( for reading on native great writings)^^

    yeah, more or less, let’s try on practice!!

    I would i could create one soon as i possible^^;

    note; this is my comment. be careful if it minds you so awful…i only note this for intention if this noting will be
    helpful.

    thanks, again
    ellie

  3. Hi, Arthur,
    Thank you for sharing you with your important theory with us!!
    I really think it is true that we japanese often use an unspeakable and under-translated words directly into english.

    and, i often say that
    “How’s it goes on?”
    after meeting us( mostly with friends) on holiday afternoon.

    of course, its not just said after meeting time began- but after greeting some of words to each other.
    but I don’t know is it a dued phrase to use with a kind of greeting and hows it is just for words for commentary to you on holiday lunch or chatting to begin the topics.

    I cant search up to find these phrases used -not so great. its found a couple of sample only- but, i feel it is used or a rememble expression so good in American conversations in pods or programns…><

    how i feel them so familiar? and how it should use to decent way, to decent manner?

    i would be great appreciated to if you help me shared this questions resolution clearly^^

    thanks you for your reading,

    ellie

  4. Hi,Arther

    HALといいます。
    仕事が終わった後や帰りの電車で別れるとき、相手が上司の場合でもSee you tomorrow.などで大丈夫ですか?

  5. Hi, Arthur

    My name is Hiromi Kimura(Raimy)
    I hope this email finds you well.

    私は会社のHPの中で所属している部署のBlogを書いています。
    blog文の始めと終わりに短い英語の文章を入れ始めてみたのですが
    blogに入れた下記の文章が適切かどうか、もしくはもっと良い表現があれば
    お教えください。

    私が日本語で伝えたい内容です↓
    「あなたの大切な時間を割いて私のblogに来てくれてありがとうございます。」

    Thank you for taking your time look at my blog today.
    Thank you for taking your time to meet with my blog today.

    「どうか、またのお越しをお待ちしています」
    Please look at again.
    Please come again.

    MyHPblog: http://www.241.co.jp/blog00/?p=759

    Many thanks for you your advice on this and look forward to hearing from you.

    Have a wonderful day.

    1. こんばんは、
      すごくよいご質問ですね!わたしもいつか、自分のブログを持ちたいと思っていまして、
      自分の立場であればどうやって書こうか、今考えていて思いついたので少しコメントさせていただきますね。

      訳例
      Thank you for visiting us (or our site, our blog) today
      and hopefully wish you come again!!

      わたしも気に入った著者のサイトで、どういうふうにお別れの挨拶を書かれているか
      ネイティヴので見てきたつもりでしたが、じっさいに書くとなると、どんぴしゃりが思いつきません。。

      Arthurさんのご返信をお待ちと思いますので、、ぜひ、わたしもいっしょにうかがわせていただきたいです。

      古川拝

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